会計事務所のアプローチを最大化したいなら「アプローチブック」を活用しよう!
会計事務所のアプローチ方法
会計事務所のアプローチは、お客様にサービスの内容を知ってもらったり、課題を解決するための提案をしたり、何かしらのアクションを起こして接近するものです。お客様との信頼関係を築く第一歩です。
アプローチの際に使用するツールは、紙に印刷された冊子、ダウンロードファイル、ホームページ、ときには動画、SNSであったりと形式はさまざまです。
アプローチブックとは?
アプローチブックとは、商品やサービス、魅力や信頼を伝えるためのツールです。セミナーやイベントで配布するサービス紹介パンフレットを想像してもらえればわかりやすいです。状況によってその媒体は多種多様ですが、共通して言えるのは「お客様に接近するためのツール」ということです。
たとえば、顧客へアプローチする際には必ずサービス内容を説明しますが、毎回似たような説明をすることになります。その度にアドリブで対応するのは大変です。特に大変なのはお客様で、手元に資料がない状態で口頭の説明だけだとわかりづらく、記憶にも残りづらいです。また、従業員によって異なる説明をされることも言った言ってないのリスクになります。
このような会計事務所のアプローチを最大化するために、アプローチブックを活用することを強く推奨しています。
アプローチブックのメリットと効果
1.資料作成の工数を削減できる
従業員が自前の資料を作成してそれぞれ異なる提案をしていることがよくありますが、この工数を削減できます。
2.全従業員が共有の資料で提案できる
従業員が異なる資料で提案を行っている場合には、説明不足であったり個人の認識相違で誤った提案をしていたりしますが、資料を共通化することで解決できます。
3.サービスラインナップを伝えやすい
サービス全体を見通せるように会社紹介>サービスラインナップ紹介>マッチするサービスの提案の順に視覚的に伝えられて、別のサービスにも興味を持ってもらいやすいです。
4.差別化商品を売りやすい
商品ごとにアプローチブックを作成することで、より詳細で専門的な資料をお客様に提供できます。提案時にもより踏み込んだ内容を話しやすく、お客様からも専門性の高さで信頼を得やすくなります。
5.信頼感を与えられる
丁寧な資料を用意しているかどうかという点で大きな差が生まれます。逆に、即席で作成されたPDF資料で提案を受ける側を想像するとわかりやすいでしょう。
アプローチブックの使い方
面談時には「見せながら説明」
・お客様の関心に合わせて該当ページを開いて説明
・重要なページは付箋やインデックスを貼っておくと便利
・全ページの説明を優先せず、時間とお客様の反応を見ながら強みになる部分を優先する
面談後は「置いてくる」または「PDF送付」
・持ち帰って検討してもらえるようにアプローチブックは置いてきた方が効果的
・Web面談などの際には必ずPDFで送付
顧客ニーズに応じてカスタマイズ
・差別化と専門性の高さを強調して、その分野に特化したものを作成した方が共感を得やすい
・創業支援に特化したページを強調する、相続専門ページを追加するなど
アプローチブックの作成方法
【ステップ1】目的・ターゲットの明確化
まず誰に向けて作るかを決定しましょう。
個人、法人、相続相談、創業相談、その他の場合も想定して、ターゲットによって内容や強調ポイントを変える必要があります。
【ステップ2】構成を決める(目次設計)
以下のテンプレートを基に、必要に応じて項目を取捨選択しましょう。
表紙のターゲット指定は、専門冊子であることのアピールと、持ち出し時に間違わないようにするという点でおすすめしています。
項番 | 項目 | 内容 |
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1 | 表紙 | 事務所名、ロゴ、キャッチコピー(例:「経営者に寄り添う会計事務所」) ターゲット指定(例:相続相談者様向け) |
2 | ごあいさつ・理念 | 所長の想いや、事務所の方針 |
3 | 事務所概要・サービス一覧 | 所在地、スタッフ、沿革、登録番号など |
4 | サービス紹介 | 税務顧問、決算申告、創業支援、相続対策など |
5 | 特徴・強み | 他社との違い、ワンストップ体制、IT対応など |
6 | 実績・事例紹介 | 成功例、支援ストーリー(※個人情報に配慮) |
7 | 料金体系 | 顧問料やスポット料金など、目安でもOK |
8 | 顧問開始の流れ | ヒアリング → 見積もり → 契約 → サポート |
9 | お客様の声 | 実際の感想やアンケート結果など |
10 | よくある質問 | 「税理士に何を相談すればいよい?」など |
11 | お問い合わせ先 | 電話、メール、Web予約、SNSなど |
【ステップ3】原稿を書く
・むずかしい言葉は使わず、誰でもわかる言葉で書く
・「○○に困っていたお客様が、○○のサービスで解決できた」などストーリー形式の事例が効果的
・箇条書きや図表、写真を使って視覚的にもわかりやすく
【ステップ4】デザインを整える
・PowerPointやCanvaでの作成がおすすめ
・カラー、テーマ、フォント、配置などを統一、整理して見栄えを整える
・ロゴや写真、図解、グラフ、相関図、アイキャッチなどを適宜挿入
必要に応じて、デザイナーに仕上げだけ依頼するのもおすすめです。
【ステップ5】形式を整えて保存
・PDF形式で保存し、印刷もできるように
・用途別に複数パターン作っておくと便利
例:相続用アプローチブック/創業支援向け/一般企業向けなど
必ず編集データは保存しておく!PDFで保存したからといって、編集データを削除してしまうと、後述する更新の際に作り直さなければなりません!
【ステップ6】定期的に更新する
・税制改正や料金変更に合わせて見直し
・顧客の声や事例は、随時追加して「生きた資料」に
・古い情報を削除して、最新の情報を載せる
・ファイル名やページの最初や最後に更新の日付を書いておくと古さがわかりやすい
まとめ
会計事務所のアプローチは、単なる営業活動ではなく、「お客様との信頼関係を築く第一歩」です。そのなかでアプローチブックは、サービスの魅力を正確かつわかりやすく伝えるための強力なツールとして活用できます。
アプローチブックは、共通の資料として従業員が使用でき、情報のブレを防げます。提案の質も統一され、業務効率も向上します。さらに、サービスの全体像を視覚的に示すことで、お客様自身も自分に合ったサービスを見つけやすくなり、結果的に成約率の向上や他サービスへの関心も促せます。
重要なのは、「作って終わり」にせず、常に最新・最適な形にアップデートし続けることです。ターゲットや目的を明確にし、資料の内容・デザイン・形式まで意識して設計することで、アプローチブックは単なるパンフレットではなく、非常に強い武器になります。
お客様に選ばれる会計事務所を目指すなら、アプローチから始めてみましょう。