会計事務所が顧問先をフォローすべき理由とは?フォローの方法やメリットも解説
会計事務所が顧問先をフォローすることの重要性や実践方法、メリットなどを解説していきます。
会計事務所が顧問先をフォローすると安定した顧問契約の継続が期待できます。顧問先のフォローは経営の根幹を支える重要な要素です。「会計事務所に有効な解約防止の施策とは?」では、解約リスクの具体的な原因とその対策について解説しましたが、今回は顧問先のフォローに視点を絞って解説していきます。
会計事務所が顧問先をフォローすべき理由
ずばり、良好な関係性を維持するためです。顧問先からの高評価は、解約防止やブランディング、案件紹介につながり、安定した経営につながるのです。
解約防止
会計事務所の解約理由としてコミュニケーションの問題があげられます。顧問先を継続的にフォローすることで、こうした不満を未然に防ぎ、顧問契約の解消リスクを大きく減らすことができます。また、常日頃からコミュニケーションをとることで、積極性をアピールできたり、信頼性の向上によって別の悩みや課題を聞き出しやすくなるメリットもあります。
フォローは「信頼関係」と「不満の早期発見」に直結しており、解約防止策のなかでも最も実践的で効果的なアプローチといえます。会計事務所で顧問先をフォローしない場合には、解約の確率が高く、新規案件に頼るしかなくなってしまい、結果的に営業活動に時間を多く使わなければならなくなり、事務所の安定からは遠のいてしまいます。
ブランディング
顧問先をフォローすることで高品質なサービスを提供していると評価され、会計事務所のブランディングにつながります。信頼の蓄積と可視化、積極的な情報発信、顧問先との接点を増やす、という観点からブランディングにも非常に有効な手段ですので、会計事務所の先生方にはぜひ実践していただきたい施策になります。
会計事務所が顧問先をフォローする方法
顧問先フォローは、単に月次の資料を受け取って申告業務を進めたり、質問に対して回答するだけではありません。積極的に下記のようなアクションを継続的に取ることを意味します。
・定期的な電話・メール連絡
月次報告以外でも、経営状況のヒアリングや情報提供を行う
・訪問・オンライン面談の実施
定期的に顔を合わせることで信頼関係を強化
・経営に役立つメルマガの配信
税制改正や助成金などの情報提供で付加価値を創出
・気軽に質疑応答ができるチャット対応
SlackやChatworkなどでリアルタイムな相談を受け付ける
・記念日や節目のタイミングでのフォローアップ
会社設立日や決算月に合わせて一言メッセージを送ることで印象が向上
こうした取り組みは、時間やコストがかかるように思えますが、継続的な契約と信頼の維持という観点で見ると、非常に高い投資効果があります。
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会計事務所が顧問先をフォローするメリット
特に大きなメリットとしては、安定した経営です。もう少し掘り下げると、解約防止やブランディングにもつながります。さらに細かく顧問先をフォローすることによって得られるメリットを書き出すと下記のようなものです。
顧問先からの評価を上げられる
頻繁にフォローを受けている顧問先は、「自社のことをしっかり見てくれている」「困ったときに相談できる」「気軽に話せる」と感じ、会計事務所への評価が自然と高まります。これは紹介や口コミによる新規顧客獲得にもつながる好循環を生み出します。
顧問先へのコミュニケーション頻度を高められる
定期的なフォローは、会話のきっかけをつくりやすくし、顧問先の状況をリアルタイムで把握できるようになります。これにより、突発的なトラブルや相談にも迅速に対応可能です。また、顧問先から得られる情報は非常に有益なものが多いです。ほかの顧問先でも同じような課題を抱えていたり、同じような施策を実施したりすることで同様の成功体験を提供できる可能性があるなど、コミュニケーションの域を超えた有益情報を得られる機会として認識すべきでしょう。
顧問先の課題をより深く理解できる
ヒアリングを重ねるなかで、現状の契約とは異なる課題が見えてくることで、新しい契約に結びつくことがあります。資金繰り・人材採用・業務改善など、税務以外の経営課題が見えてくるなど、そうした情報は顧問先をフォローすることで積極的に聞き出していきましょう。フォローが遅れると他事務所に相談されてしまって機会損失になることもあります。
不満が積もる前に対処しやすくなる
「不満があるけれど、どこまで伝えてよいかわからない」という顧問先は意外に多いものです。フォローによって接点を増やすことで、顧問先が本音を話しやすい環境をつくり、問題の芽を早期に摘み取ることができます。
会計事務所が顧問先をフォローしないとどうなる?
逆に、会計事務所が顧問先のフォローを怠るとどうなるのでしょうか?
・顧問先は「放置されている」と感じ、不信感が蓄積
・ほかの会計事務所からの営業に乗り換えるリスクが高まる
・経営状況の悪化や問題に気づけず、対応が後手に回る
疑念や不満を放置したままにしておくことで、積極性を欠いたサービスとして低評価されるおそれがあります。結果的に解約されてしまったり、その後の低評価によってブランディングに悪影響を及ぼしたりします。
顧問先の解約は突然訪れるものではなく、「小さな不満」の積み重ねが原因であるケースが大半です。つまり、日常のフォローこそが最良のリスク管理なのです。
まとめ
会計事務所にとって、顧問先のフォローは解約防止の根幹をなす施策であり、信頼関係を維持・強化するために必須です。
顧問先をフォローすることは決してむずかしいものではありません。業務ルーティンに組み込んで慣れてしまえば日々のちょっとしたコミュニケーションの積み重ねが、顧問契約の継続と、顧問先との信頼構築につながります。
会計事務所の強みは、サービスの品質だけでなく良好な関係づくりによってこそ発揮されます。自事務所の顧問先へのフォロー体制を見直し、改善できる点から取り組んでみてはいかがでしょうか。